「近藤さんのお墓を探しているんですか?」

「えっ?」

「あ、違いました?すみません」

 彼女はそう言って、頭を下げた。

「いえ、そうなんです。でも、なんで?」

「こんなところに女の人が来るなんて歴女かな・・・、なんて思っちゃって」

「歴女?」

「確かにこんなところにキャバクラ嬢が来るわけないな」

 左之が横でクスッと笑ったのが、横目で分かった。

「歴史好きの女性のことです」

「あー、そんなところです。新撰組の関わった土地を巡ろうかと」

「そうなんですか。私たちは幕末が好きなんです」

 そう言ってもう一人の人を見ながら言った。

「彼女は何を?」

「掃除です。最近はドラマやアニメで認知が上がってきたせいで、にわかファンが増えて荒らされたりするので」