高速を降り、しばらく走ったあと自宅のマンションへと帰った。

「ほぉ、ここが真沙美の家か。見晴らし良さそうだな」

 腕組みをし、マンションを見上げながら、目を見開いていた。

「十階だからわりと見晴らしはいいよ。荷物出すからちょっと待ってて」

 トランクから鞄を二つ取り出し、マンション内に入りエレベーターのボタンを押した。

「何度かこれに乗ったが、落ちそうで怖いんだよな」

 でかい図体のくせに、肩をすぼめながらエレベーターに乗り込んだ。