「仕事中はなるべく私の視界に入らないところに居て欲しいの」

 出会ったあとから、あれは何?これの名前は?と、ひたすら質問責めにあった。いや、あっている。

「ごめんね。仕事に集中したいから」

「それはいいが、真沙美は何の仕事しているんだ?」

「ん?キャバクラ」

「あぁ、島原みたいなところだろ?」

 思わず吹いた。

「幽霊のくせに知ってるんだ。絶対分からないと思って言ったのに」

「少し前に憑いていた小さな犬の飼い主の夫婦が「キャバクラの女に貢いで馬鹿じゃないのー」とかなんとか言ってよく夫婦喧嘩してたからな」

 はははと豪快に思い出して笑っていた。