「なんだい?山南さん」

「この壬生浪士組、いや、新撰組は二つの組織から成り立っている。だから今までどちらの組織からも圧力がかからないよう、各組織一人局長としていたでしょう?なのに、今になってそちらの方を増やすとは、いかがなものかと」

 山南さんが意見すると新見さんは、少し困った顔をして芹沢さんの方を見た。

「・・・私から話そう」

「芹沢さん」

 芹沢さんが前に出てきた。

「こいつはこの前の政変時、影で色々とこなしてくれたのだ。よって昇格とする。いいな」

 有無を言わさないよう、芹沢さんは押し切るように言い切った。

「あの人、ずっと火の近くに居たよね?」

 平助が小さく怒りを露わにするように呟いた。

「あぁ、無理矢理とってつけたような理由だな」

 皆不満を持っている様子だった。