それが三日前の、私がこの人にとり憑かれた時の話し。今は旅行先から帰るため、車で高速道路を走っている。

「ねぇ、原田さん。私昨日で休暇が最後なの」

「左之でいいって言ってるだろ?次言わなかったら目の前うろうろするからな」

 彼はそう言ったあと、話しを続けろと言わんばかりにこっちを見た。

「分かったから、お願いっ、お願いだから、運転中は横に居て。えっと、左之、今日の夜から私仕事なの」

「それで?」

 座席の肘おきに肘をおき、頬杖をつきながら話しの続きを促してきた。