「えーっと、あっ、これか。芹沢鴨、水戸藩浪士。新撰組の初代筆頭局長・・・。ふーん、やっぱり偉い人なんだ」
感心したのも束の間、読み進めていくと印象はさらに悪いものになっていった。
「取り締まりのため大坂へ行き、力士に暴行を加えたって何それ」
力士側に死傷者が出たとも書いてあった。別件では、脅迫や酒乱についても書いてあった。
「トップの人がこんな人でいいわけ?」
疑問が募ったものの、芹沢暗殺の文字が見えた。
「暗殺?」
何で暗殺?そう思い次を読もうとした瞬間、下の方から声がした。
「おーい、真沙美。おーい」
左之が両手を振りながら、私を呼んでいた。
「どうしたのー?」
人が居ないのを確認してから、大きめな声で返事をした。



