近藤さんと思われる上半身の石像と、右隣に石碑があった。赤と白の旗とは別に、青と白の「誠」と書いた旗が、銅像を挟むように、花と一緒に飾られていた。
「近藤さん」
追いついた左之が、石像を見ながら小さく呟いた。
「左之、近藤さん居る?」
問いかけると、左之は首を小さく左右に振った。もし、左之のように幽体だったとしても、左之のように何かに憑いて行って、元の場所に居ない可能性だってある。居る可能性はかなり低い・・・。
「近藤さん、こんなに立派なもん作ってもらえるなんて良かったですね。嬉しいでしょう?」
左之は目を細め、まるでそこに近藤さんが居るかのように話しかけていた。
「近藤さん、最後まで一緒に居れなくてすみませんでした。最後まで共に戦っていればと何度も後悔を・・・っ」
そう言ったあと、左之は口を噤んだ。



