左之が懐かしそうに、そして、少し楽しそうに話し始めてから数時間が経った。時々身振りがある時は運転の邪魔になるほどだった。

「ふふっ」

 無邪気な左之を見てなんだか笑みがこぼれた。

「あっ・・・、真沙美すまないな、一気に話して意味わからなかっただろう。しかも、近藤さんの話しという感じでもなかったな」

「ううん。分かりやすかった」

 私に分かるように話してくれていたのがよく分かった。

「一旦話は休憩にしよう」

「うん。もうすぐ目的地着くよ」

 休憩を挟まず目的地までひたすら走り通しだったけど、不思議と疲れはなかった。

「左之は近藤さんの墓前に立ったら何を言いたいとかあるの?」

「ん?そうだなぁ」