亜美菜にとっての桜が図書館で満開になった。 

 それに、驚いたことに彼は同じ学校の一つ先輩。 
 おとなしく礼儀正しい性格は、校内では全く目立たない存在で、友達との会話に出てきたこともないし、第一、亜美菜の記憶にもなかった程である。

 だけど、目立つ人だけが素敵だとは限らないことを知った。 

 決して出しゃばらない軟らかい空気を纏う彼は、亜美菜には出来すぎた彼氏なのである。