「ずっと止まなかったから、これなかったです」

「そうねえ。終日雨だったものね。私もね、どうしようかと思ったんだけど、月曜日に提出するレポートがあったから、午前中だけ調べものに来ちゃった」

「えっ」

 驚いた。午前中に来てたら会えてたんだ。

「何をそんなに驚いてるの?何か不思議な事でも言ったかなあ?」

「いや、そうじゃなくて、あんなに雨が凄かったから」

「ああ、そういうこと。私の家、この近くなの。それもかなりのご近所さん。だから、雨が降ろうが雪が積もろうが大丈夫なのよ」

 奈々さんの家って、この近くなんだ・・・
 亜美菜は、奈々の事が今までよりもより身近に感じ、奈々の綺麗な横顔をずっと見ていた。