幸い、本棚の通路には人がまばらであった。 


 
 亜美菜は、本に挟まれた通路にしゃがみ込むと、ぎっしりと並んだ本の背表紙達に目線を走らせた。



 亜美菜には、お気に入りの作家など一人も居ない。