それからの亜美菜は、図書館で勉強するようになった。そのほうが奈々との話題に事欠くことがないからである。 

「最近どうしたの?ミステリーはもう読まないの?」 
「私、頭が悪いから勉強も頑張らないとついていけないんです」

「頭が悪い人がミステリーの結末が解るはずないって。大丈夫よ」

 奈々は相変わらずの綺麗な微笑みで亜美菜に言った。 

 亜美菜はその微笑みを見てふと思った。こんなに綺麗だからきっとかっこいい彼氏が居るんだろうな。