亜美菜は嬉しくて寄り添うように駐輪場まで歩いた。 

「じゃあ、気を付けて帰るのよ」

「あのう、メールアドレス交換して貰いたいんですけど」

 奈々は小さく首を横に振った。 

「約束も無しにここに来たら会えるって素敵じゃない。私、そんな素敵な関係が良いな」

 亜美菜はガッカリしたが、すぐにそのほう良いのかも、と思い直した。 

 亜美菜には、図書館に来る楽しみがまた一つ増えた。