「ここに居てって。多分もうすぐ来ると思うから」
担任の先生に言われた通り、
奥の部屋で矢野くんと
待つことにした。
矢野くんはあたしの前で、
じっと座っている。
「矢野くん」
「んだよ、」
「…何でもない」
声をかけたくなった。
傍に、行きたくなった。
あたしだって人間で、
理性を保たないと
いけないことだってある。
好きな男を目の前にして、
隙間1つないくらい
引っ付きたい。
好きだよ。って言いたいよ。
「黙って座ってろ。うるせぇな」
この男を。
"隼人"って呼ぶあの子が。
心底羨ましくてたまんないんだから。


