「そう、ですか…、ご迷惑をおかけしました」
頭を下げる。
朝比奈、って誰?
あたしじゃ…、ないよ、ね。
「ま、好きな女性を守りたい年頃ですし。無理もないですな」
わははは、と笑う目の前のおじさん。
あたしは笑顔1つ見せられず、
ずっと下を向いているしかなかった。
「誤解を招くといけませんし、矢野だけが悪いわけではありませんので、再度学校の方に連絡させていただきましたので。相手の学生は悪くないと矢野が言ったものですから、こちらには連れて来ませんでした」
バカじゃん。
何で庇うのよ…。
悪いことしたわけじゃないじゃん。
先に手出して無いじゃん。
「結局は先に手を出した方が悪いですしね。相手の名前などはお伝えしておきましたので、また処分などは学校の方でお願いします」
そう言って警察のおじさんより先に
立ち上がって、矢野くんの元に向かった。
バカで、どうしようもない、
あたしの好きな男を、迎えに。


