「と、言いますと?」
「いや、同じ学校の1つ上の男子生徒と喧嘩したそうなんですがね…」
事の成り行きを聞きながら。
耳を疑った。
聞き間違えたのかと思った。
何でそんなことで―――――。
「矢野くん、帰るよ」
「ほっとけって。1人で戻れる」
「いいから。早く鞄持って来なさい…、」
個室を出て、
お世話になった警察の方に
頭を下げる。
矢野くんは諦めたのか、
何の抵抗もせずあたしに付いてきた。
「…………、」
「…………。」
車の中は、ひたすら沈黙だった。
何も話さない矢野くんに、
何も話せないあたし。
まだ動揺している。
まさか、なんだけど。


