「じゃあ早く戻らないと。みんな急いで戻って?」
「先生もだよ!早く!」
女子生徒に手を引かれ、
あたしは校舎に連れて行かれる。
来なさいと、中西先生も言って
くれてたしいいのかな?
でも…、と半信半疑のまま
教室に向かうことになった。
「先生、ごめん!待ったー?」
「遅かったわね。朝比奈先生、捕まえられた?」
廊下を歩いている時。
1番初めに教室の中に入った
生徒にそう聞く担任。
「いるよ!朝比奈先生?」
名前を呼ばれ、思わず
身構えてしまう。
重い足を動かし、
教室内へと歩を進める。
「おはようございます」
「うん、おはよう。…じゃあ、最後のHR始めるから。みんなも席に着いて」
何もなかったように、
担任は笑顔を見せ
生徒たちを席に座らせる。
あたしはいつも通り、
後ろから様子を眺めることにした。
「まず、みんな卒業おめでとう」
さっきまで、あんなに
わいわいがやがやしていたのに。
担任の一言で、一気に
教室内がしんみりした。


