「あの写真は本当に人違いです。けれど、それでも矢野くんの合格が取り消しになるかもしれない。だったら、あたしが責任を取ります」
封筒を校長の目の前に差し出す。
校長は、あまりの出来事に
驚きを隠せない様子だった。
「辞、表…」
「大人である、教師であるあたしが責任を取ります。矢野隼人はあたしのクラスの生徒でもありますので。あたしが、責任を取ります。だから、」
隼人の合格取り消しの件だけは。
どうか。どうか。
「合格取り消しだけは、どうか逃れさせてあげてください」
あたしは、深々と頭を下げた。
お願いします。
校長先生。
隼人はあんなにも必死に
頑張って合格したのに。
こんなことで、
簡単に取り消すとか
言わないでください。
「今までありがとうございました」
もう何も言うことがないと
思ったあたしは、
もう一度礼をして
校長室を後にした。


