「もう思いつかない…」
引き出しの奥の奥から。
白い封筒を取り出した。
「あたしが責任を取れば…」
その封筒の上には。
"辞表"と、大きく書いてある。
「失礼します」
辞表は、学校に着任したての頃、
紗夜と香織も同じ時期に
就職していて。
万が一のことを考えて、
一緒に辞表作っとこうとか
言って冗談で作ったもの。
捨てるのももったいないから、と。
鍵のかかる引き出しの奥に
しまっておいたのだ。
「校長先生、お願いがあります」
こうするしかないと思った。
大人が責任を取れば、
いいんじゃないの?
なんて思い始めたら、
キリがなくて。
半分やけくそなあたしは。
今日この日をもって、
辞表を提出することにした。


