「どうなっちゃうかな…」
「何が起きても俺が守るって。心配すんな」
「俺が、って。1人で頑張るのはやめてよ」
「…一緒に、頑張るか」
そうだよ。
1人でなんて、もう思わない。
隼人と一緒に乗り越えよう。
大きな壁も困難も、
2人で超えて行こう。
声に出さないまでも、
隼人とあたしのぎゅっと
握られた手がそう言っていた。
「人違いって言えばいいんだ。まともなこと、言う必要ねーよ」
「通じるかな…?」
「通じなかったら、その時はその時。余計なこと考えんなって。な?」
あたしよりも、
隼人の方が大人だ。
あたし、この人にどれだけ
励まされて支えてもらえば
気が済むんだろう。
「隼人、ありがとう」
「ったく、心配させんな」
傷付けた。
きっと彼は傷付いた。
あたしは、どう償えばいいのか
分からないけど。
もうこれほどにないくらいの愛を、
とりあえず彼に捧げようと。
幸せそうな隼人を見て、
そう感じた。