無言のまま廊下を歩く。
前を歩く隼人が、
今日は少し遠い。
「芽衣子」
「ん?」
「今日家行ってい?」
「…うん。分かった」
教室から玄関まで、
2人で廊下を歩く。
奇跡的に誰にも
会わずに済んだ。
「じゃ、とりあえず帰るから」
内履きを脱ぎ、外履きを
履き終えた隼人はあたしの
方に向かって歩いて来て。
「…んっ」
あたしの首の後ろを
くいっと引っ張り。
強引に優しいキスをしてきた。
「隼人…」
「ごめん。我慢出来なかった」
そう言うと恥ずかしそうに、
顔を赤らめ。
「お前、まじ今日覚悟しとけよ」
ばーか。と言って、
帰って行った。
あたしは、そこから動けず
隼人が見えなくなるまで
こっそり背中を見つめた。


