「ね、隼人?」
「何?」
「話があるんだ」
向かい合って、そう告げる。
不安なのか、隼人がそわそわ
している気がする。
「早く言えよ」
「本当はさ」
泣かない。
もう重荷になりたくない。
「県外の大学に行きたいんでしょ?」
隼人に夢が見つかった。
でもそれを壊そうとしているのは、
紛れもなくこのあたし。
あたしが大丈夫って。
行ってもいいよって。
背中を押してあげなくちゃ。
「は?行かねぇって言ったろ」
「あたしね、隼人の鞄の中にパンフレットあったの、見ちゃったんだ」
沈黙があったけど、
全然怖くなんかなかった。
こうやって話しているのは、
悲しい話なんかじゃなくて。
ずっと一緒にいるために、
隼人の幸せのために話してる。


