「でも、前回の進路相談の後に職員室来て、県外行かないって言いに来たのよ。もう諦めるって」
あたしの知らない、隼人がいた。
「私思うんだけど、諦めるってことは、本当はやりたいってことじゃないのかな?」
本当は、やりたいってこと…。
だったら、あたしの存在があるから。
だから諦めようとしてるんだったら。
何が悪いってあたしの存在じゃない。
「ま、金曜日まで待つしかないわね」
「あ、あたし…用事思い出したんで帰ります」
お疲れ様です、と一声かけて
職員室を飛び出す。
携帯を手に取り、電話をかける。
『もしもし』
何も知らない隼人は、
いつも通り普通で。
「今どこにいるの?」
『帰ってる所だけど』
「夜、家に来て?」
『…何で』
「いいから来て!」
あたしはそれだけ言って、
強制的に電話を切った。
あたしがしなくちゃいけないことは
1つしかない。


