「朝比奈先生、お疲れ様でした」
「あ、お疲れ様です」
教室の電気を消し、戸締りの確認を
して職員室に2人で戻る。
「もう、後矢野だけなんだけどね」
「…そうですよね」
「どうしたんだろうな。あんなに県外に行くって言い張ってたのに」
「あ、そうなんですか?」
そうだよ、と。
担任はその時のことを
詳しく教えてくれた。
「将来やりたい職業が、県外のその大学にしか学科がないんだって言っててね。調べてみたら本当で。矢野は頭はいい方じゃないし、受かるか分からないけど。自分なりに決めたんだから、あたしも一緒に矢野と頑張ってあげようって。思ってたのにさ」
やりたい職業。
聞いたことないけど、
隼人も考えてたんだね。
あたしと付き合う前に、
離れるために県外行こうと
したけどやめたって
言ってたけど。
本当はやりたいことが
あったから行こうとしてたんだね。


