「親父さん、怖い?」
そう言うと思った。
てっきり知ってるものだと
思ったから、何も考えずにいた。
知らないとなると、
隼人だけじゃなくあたしも
少しばかり緊張してきた。
「…ん~、どうだろ」
あたしのお父さんは、
筋の通らないことが嫌い。
間違ってると思ったら、
間違いましたと言うまで
どこまででも追及する。
だけどあたしのことが大好きで、
優しくて、普通のそこら辺に
いるオヤジ。
「怖くないよ?筋が通らないことは嫌いなだけ」
だから普通にしてれば大丈夫。
そう言うと、隼人は唾を
ごくんと飲み込み、緊張を
隠せない様子だった。
「中、入ろっか」
黙って頷く隼人を見て、
新鮮だなと少し面白くなる。
親に会うのにこんなに緊張するのは、
あたしが教師だからだろうか。
そう考えると、何だか申し訳ない。


