12月上旬。
寒さも厳しくなってきて、
布団から起きられないくらい
気温が低い今日この頃。
「準備しないと」
布団から1歩足を出すと、
凍ったんじゃないかってくらい
痛くなる。
今日は隼人とデートの日。
だから早くしなくちゃ
いけないんだけど。
「無理だよぉ…」
そこに隼人からの電話。
『もしもし』
「はーやーとぉー。寒い」
あたしは、我ながら
駄々をこねる子どもみたいだな、と
心底呆れる。
だけど、寒さと暑さだけは
我慢出来なくて。
『ワガママ言ってねぇで早く支度しろって』
「だってー、寒くて足痛いよ?」
『は?何言ってんだお前。もう家の前着くから』
じゃ、と言って電話を切る。
そっか、もう着くか。と一呼吸置いて。
「嘘、やばいっ、何もしてない!」
あたしは寒さを必死に忘れ、
洗面所に駆け込んだ。
急いで歯を磨き、顔を洗う。
その時、玄関でチャイムが鳴って。
あたしはとりあえず鍵を開けに行く。