隼人の頬を、殴った。
思い切り、手加減なく殴った。
大柄の男に殴られたからか、
さっきまで隣にいた隼人は。
「矢野!」
教室に並べてあるイスや机を
音を立てて崩し、
地面に転がっている。
「何…すんだ、てめぇっ!」
男子生徒は頭に血が上ったのか、
5人組にふっかかろうとする。
それを。
「やめろお前ら!」
隼人が大声でやめさせる。
土屋くんは掴みかかった手を
離して、隼人を見つめた。
「手出すな。大事な時期だろ。そんなやつらに、関わる必要ねぇ」
右頬から血を出しながら、
静まる教室の中でみんなに
向かってそう言った。
「迷惑なんで。帰って下さい」
改めて隼人に言われた5人組は。
「お前、覚えとけ」
そう吐き捨てて、
教室を出て行った。


