「あー笑った。じゃなくて」
思う存分笑ったのか、
こほんと咳払いをして
隼人は話を切り替えた。
「おい、松田」
「はい」
少しの沈黙の後。
隼人は予想外の言葉を発した。
「ありがとう」
「は、い…?」
隼人は松田くんに向かって、
お礼の言葉を言った。
思いもよらぬ言葉だったのか、
松田くんもきょとんとしている。
「もう言わねぇ。2回も言わせんな」
「いや…、やめて下さい。俺、礼されること…」
「お前のおかげだ、松田。てめぇの頑張りが、リレーの優勝に繋がったんだ」
微笑ましい光景、なんて
本人の目の前で言ったら怒るんだろうな。
だけど、隼人はすごく優しくて。
思わずあたしも泣いてしまいそうだった。


