「よーい」
パンッ、とピストルが鳴る。
一斉にスターターが走りだし、
グラウンド内は白熱している。
代表ばかりが集まっているせいか、
どの生徒も走りが早い。
このリレーは学年関係なく、
各色で走る順番を決められる。
隼人はアンカー。
バトンをもらうのは、
1つ下の2年生。
リレーもアンカー前まで
バトンが回ってきた。
運がいいのか、隼人の色は
トップを走っている。
「頑張れー!」
3年生をはじめとなって、
みんなが必死に応援する。
あたしも心の中で祈った。
上手くバトンが渡って、
隼人が気持ちよく走れますように。
高校最後の思い出になりますように。
だけど。
「あっっ!」
グラウンド内が一気にざわついた。
隼人の前に走っていた2年生が、
あと半分の所で、足がもつれてこけていた。
「嘘…」
あともう少しで隼人なのに!
あたし達のクラスが1位になるのに!
そうあたしは思った。


