「みんなと行かなくてよかったの?」
「後から行くんだからいいんだって。お前の弁当見せたくないし」
トゲばっかりの彼は、
いつもあたしには優しくて甘い。
本当は、向こうに行っちゃうのかな、とか
考えちゃいけないこと考えて。
ここに残るって言った時は、
心底ほっとしている自分がいて。
「ごちそう様でした。すっごい美味しかった!」
「こんなんでよかったら、いつでも作ってもらってやる」
お弁当箱を収納して、一息。
周りには誰もいない。
先生たちもまだ職員室。
「みんな待ってるし、行っておいで?」
動こうとしない隼人に、
仕方なくそう言うと。
「キスしたい」
なんて、言い出す隼人。
「何言ってんの、」
もう…、なんて言って流して。
本当は動揺してたりして。
「したい。させろ」
「ばか…ダメでしょ。普通に考えて…」
「…っくしょう、」
彼の意を拒んだ時。
隼人は軽くこぶしを握って、
悔しそうな顔を見せた。


