「ま、でもあたしは前から知ってたし。全面的に応援してるから」
「ありがとうござ…、え?前から?」
あたしは浅く頭を下げつつ、
疑問に思ったことを言葉にする。
「うん、前から」
その言葉にあたしも隼人も、
同じタイミングで驚いていた。
「は?何でお前知ってんだよ」
「前に車乗ってたし。ま、偶然見かけただけだけど」
「言えよ、相変わらず性格悪ぃな」
「いいじゃない。影で見させてもらったわ」
と、爆笑している。
そして先生は、切り替えたのか、
いつも通りに話しかけてくれた。
「今度ご飯行こ。先生としてじゃなくて、姉と妹として」
「はい!是非!」
やっぱり白石先生は好きだな。
かっこいいし、優しい。
「紗月、芽衣子にちょっかい出すな」
今度は自分の姉に向かって、
怒りを示す隼人。
それを先生は無視している。
「んじゃ、あたし職員室戻ります」
「午後からも無理すんなよ」
かっこいい一言をくれて、
先生はあたしを見送る。
隼人を見ると、
まだふてくされているのか
何も言わない。
「隼人…教室戻ってよ?」
「分かったから、戻れよ」
小さく頷き、
あたしは保健室を出て行った。
すっかり忘れてたわ、風邪だったこと。
まさか保健室を任されるとは
思ってもなかったし、
あそこに隼人がいるとは
思ってもなかったし。
それに、白石先生が
お姉さんだなんて。
びっくり…。
あたしは喪失感を残しながら、
職員室に戻って行った。


