「多いんだよ、問題。訳分かんねぇし」 文句を言いながらも、 プリントを見れば全部は 埋めてある。 「じゃ、また次の補習でね」 今は。 顔を見て、笑って 話せる気がしない。 「さよな、」 「おい」 声かけないで。 呼び止めないで。 あたし、今から。 泣くんだから。 「何かあった?」 今日に限って、矢野くんは、 あたしに必要以上に 話しかけてくる。 「何、言ってん…の、」 背中を向けたまま、 誤魔化そうと口を開く。 だけど矢野くんは、 その場から動こうとしない。