「嘘だけど」
矢野くんは、心底おかしそうに
笑い始めた。
「…嘘?」
「騙されてやんの。ばーか」
「ひっどーい!あたし流れ星見たかったのに!」
あたしは子どもみたいにムキに
なって、矢野くんの腕を
ポカポカと叩いた。
「悪かったって!そんな怒んなよ」
なんて、悪びれる様子を
1つも見せず、謝ってくる。
そんな中、あたしは。
「も~…本当に見たかったんだから」
半べそかいて、叩く手を止めた。
すると矢野くんは焦ったように
あたしの顔を覗きこんで来る。
「何だよ、泣いてんのかよ」
「だって…、見たことなかったんだもん」
そう言った途端、
急に自分が恥ずかしくなって
唇を尖らせる。
何、あたしったら。
小さな意地悪に本気になって
半泣きになっちゃってるの。
ばかみたい。


