「どうしたの、矢野くんこそ。ずっとここにいるけど」
向かいに座って問いかける。
矢野くんはまだ、少し笑い気味。
「別に。星、さっき見て綺麗だったから」
「あ、あたしも…見てた」
一緒のもの、見てたんだな、って。
そんなこと思いながら
矢野くんに見とれてしまう。
星、なんて数えきれないほどあって。
世界中どこにでもあって。
誰もが見てる。そんなものなのに。
矢野くんと一緒に見てた、って
だけで嬉しく思う。
「あ、」
突然驚いた声を出す彼に、
あたしは少し体をびくつかせる。
「え?」
「流れ星、流れた」
「ほんと!?どこ?」
興奮するのも当たり前。
なんてったって、あたし
生きて来て流れ星を
見たことがないんだから。
「あーん、見れなかったぁ」
がっかり、と肩を下ろすと。


