一緒に、歩こう






「やっばい!」





テンションが上がってしまう。

露天風呂に行くと、

目の前に広がるのは

綺麗な星空。

夜空に光る、たくさんの星座。





「すごいな~」





こんなに自然が広がっているから、

こんなに綺麗な星が見れる。

将来、こんな所に

住めたらいいな。

平和に暮らしたい。

綺麗な物に囲まれたい。

なんて、小さな願い。





「いけない、待たせちゃう」





あたしは急いで上がると、

体を拭いて、旅館に備え付けの

浴衣に着替えた。








「ごめんっ」







外に出ると、案の定

矢野くんは遅いと言わんばかりの

顔をして待っている。

彼は、あたしを待たせない人だから

きっと先に出るだろうと

急いだつもりだったのに。







「待ってねえよ」






さらりとそう言いのける彼は、

さっき着ていた服を片手に

部屋へ続く廊下を歩いて行く。

嘘つき。待ったくせに。

なんて、言えないけど。

矢野くんは絶対、

あたしを待っていた。






「早く来いよ。迷子なるぞ」





「はーい!」






ま、いっか。

あたしは呼ばれると

すぐに背中を追いかけた。