「普通手だろ、ばか」
「あ、手か…」
何だか今日は、
顔を赤らめてばかりな気がする。
だって、矢野くんが
かっこいいから。
「お気をつけて」
思ったよりも早く到着したから、
たくさん行動出来る。
後ろで受け付けの女の人が
見送ってくれた。
あたしは会釈して、
前を歩いている
矢野くんの後ろを小走りで駆けた。
「どこ行きたい?」
並んで歩く。
お日様の下を、
恋人だと見せつけるように
手を繋いで。
「んとね、お洋服見たいな」
そんなこと、
出来ないって思ってたから。
「服?別にこんな所まで来て買わなくても…」
「こんな所って何?いいでしょ、欲しっ」
「分ーかったって。ったく、うるせえな」
だから。
こうやって遠い場所でしか、
一緒に歩けないとしても。
あたしはそれで十分なんだ。


