『約束しただろ』
「約…束、」
頭をフル回転させる。
約束…約束…、約束…!
あ。あー!
そうだ、思い出した!
そう言えば矢野くんが言ってた。
【じゃあ、今回一発合格したら、芽衣子欲しい】
あたしびっくりして何も
答えられずに流れちゃったけど。
そういえば、そんなこと
言ってたっけな…。
「…あ、」
『思い出したか、ばか』
困惑している、あたしの脳みそ。
予告された、あたしが欲しいと。
そんなの…。
「あたし!仕事残ってるからまたね!」
あげる、とかそんなの。
自分の口から言える
わけないじゃん。
そんなあたしは、
動揺全開で電話を
切ってしまった。
「あたしってば、」
あからさまな態度を見せて。
意識してます、なんて言ってるも
同然じゃないのよ。
あたしは、そんな自分に
失望しながら、バスタオルを
片手にお風呂に向かうことにした。


