仕事を終えて、家に帰宅。
と、同時に着信音。
「もしもし?」
『見直したか、俺の実力』
ふん、と鼻から息を
出したげな矢野くんは、
優しくあたしに話しかける。
「うん、すごいね。びっくりしちゃった」
『当たり前だろ。俺にはやることがあるからな』
「やること?」
すっかり忘れていた。
何のために矢野くんが頑張ったのか。
『お前忘れたんじゃねえだろうな?』
「あ、旅行か…!再テストなったら、行けなかったもんね!」
あー、よかった。
年取ったかな~、忘れるとこだった。
好きな人との旅行なのに、
何してんだ、あたし!
『…お前、覚えとけよ』
「え、え…何っ、」
あたしは、1人電話を耳に動揺。
旅行、じゃないの?


