「場所とか気にするだろう、と思ったけど、かなりここから遠いし、誰にも会わないから大丈夫だと思うんだけど?」
場所はここから4時間かかる場所。
その場所に行く方法は自由。
小さなカレッジに泊まれて、
目の前には綺麗な海があるみたい。
きっと誰も知ってる人はいない。
「行く?」
「行きたい…!」
決まり~、と言って
チケットを2枚あたしに渡す。
「なくすと困るから、持ってて」
「分かった。大事に持っとくね」
あたしはチケットを受け取ると、
忘れないように持っていた
財布にしまった。
「じゃあまた連絡する」
「次テストだからね?分かんなかったら教えてあげるから…っ」
「勉強じゃなくても行くから。心配すんな」
じゃあな、と。
矢野くんはあたしより先に
教室を出て行った。
「旅行…か、」
あたしは頭の中を
旅行のことでいっぱいで、
矢野くんが言った約束を
すっかり忘れて、
帰るため職員室に戻ることにした。


