「違う!あれはっ!」 「言い訳なんて、聞きたくない…」 耳を塞ぐ。 今は竣の言葉を、 素直に受け取れない。 「芽衣子、聞いて。俺、真剣に好きなんだ」 「竣…っ、」 昔は嬉しかった。 好きだと言われる度に、 胸がときめいて、 日に日に好きになって。 高校生までのあたしには、 竣がいないとダメだった。 だけど。 「芽衣子!」 崩れそうなあたしを、 竣は抱きしめる。 その手は、 もう昔を変わってしまった。 あれから何人の女の子を、 この手で抱きしめてきたのだろうか。