「はい、ワークして下さい」 あたしはそう指示して、 教卓のイスに腰を下ろす。 生徒の口からは、 あたしの名じゃなく、 橋詰先生と呼ばれる。 彼はあたしにお構いなしに 生徒の元へ向かう。 「静かにしなさい」 そう言った時。 「質問」 あたしを見て、 矢野くんが手を挙げた。 冷静を装って、 彼の元に向かう。 「どうしたの?」 教師の顔で話しかける。 すると矢野くんは。 「お前さ」 あたしの腕を、 ぐいっと引っ張った。