「矢野くんが、行きたい所…」
『じゃあ、俺が決めとく』
会話が恋人で。
彼の声が、いちいち愛しい。
『もう遅いから寝ろ。俺も風呂入って来る』
「あ、そだね!うん…、ありがと」
照れている。
自分が何だか滑稽だ。
『じゃあまた明日』
「うん。おやすみ」
ぷつん、と切れる電話。
携帯を閉じ、ベッドに潜り込む。
未だに信じられていない。
いつか、矢野くんが
嘘だよって言いそうで。
明日になったら、
今日のことは夢かも
しれないって。
「夢じゃありませんように」
矢野くんの夢を見れますように。
あたしは我ながら気持ちの悪い
ことを呟きながら、眠りについた。


