「もう少し自覚しろ」 「自覚…?」 首を傾げる。 何の話だろう。 「もうそんな顔するな」 「…え、顔!?」 「誘ってんのか」 「…はぁ!?」 見れば、矢野くんは 顔を真っ赤にしている。 「顔…、赤いよ?」 「うるっせ。もういい。帰る」 矢野くんは玄関に 足早に向かって行く。 「来てくれて…、ありがとね!」 遠くなる背中に。 あたしはそう叫んだ。