「今週の休み、どっか遠く行こ」 「遠く…?」 矢野くんはあたしの 頬を優しく包む。 「誰もいない所。遠い所」 「じゃ、あたし車出すね!」 お弁当も作らなきゃ。 服も可愛くして。 メイクもちゃんとしないと。 「決定ってことで」 「うん!」 喜びの余り、 無邪気にはしゃいでしまう。 「お前さ」 突然視線を逸らして、 矢野くんはあたしから 少し離れた。