「ほれ」 店員の声と共に開いた自動ドア。 中から出て来た矢野くんの 手には白い袋。 「何?」 「飲み物と、飴」 矢野くんは強引に あたしに手渡して 再び歩き出す。 あたしは袋の中を見て、 歩く足を止めた。 「…何で、これ買ったの?」 矢野くんがくれた飲み物。 それはあたしが、 1番好きな飲み物だ。 「好きだろ、それ」 本人の前で買ったことはない。 もちろん飲んだ姿も、 きっと見せてない。 もし、見せたとしたら。