どれだけあそこにいたのか。
明るかったはずの景色が、
街灯がないと見えないくらい
真っ暗になっている。
あたしはもう周りなんて見ず、
車を目指して歩いた。
今日はもう帰って寝ようか。
それとも紗夜達に話を
聞いてもらおうか。
そんなことを考えていたからか。
「…っう、」
前に誰かがいることに
気が付かなかった。
きっと男の人で。
あたしより背の高い人。
あたしは、前方不注意で、
前の人の胸元に顔を
ぶつけてしまった。
「ごめんなさ…っ、」
「何してんだよ」
何で、本当にこの男は
知らない間に目の前に
現れるのだろうか。
「矢野くん…、」


