悲しくて、辛くて。
状況が読めなくて。
「何やってんだろ…、あたし」
完全に浮かれてた。
あの日から。
プレゼントをあげた日から、
彼はいつもネックウォーマ―を
首にしてくれている。
ご飯も一緒に食べてくれたし。
文化祭の時だって。
彼女と、別れた時だって。
「何で矢野くんなの…、」
いつだって彼は、
あたしを遠ざけなかったのに。
いつだって彼は、
あんなに優しかったのに。
「遠いよ…、すごく遠い、」
準備室は、
泣くあたしの嗚咽で
いっぱいになる。
もうあたし、ダメだ。
仕方ない。
チョコは自分で食べよう。
そうしてあたしは、
準備室に置いてあった
チョコを鞄にしまうと、
帰るために車に向かった。


