「ごちそう様でした」 両手を合わせる。 こんなに美味しい料理、 初めて食べた。 こんなこと、 初めて男の人に してもらった。 「帰るぞ」 「あ、はい」 いつも制服を着ている彼なのに、 今日はあたしの方が 彼より年下な気分になる。 「お会計はこちらです」 レジに向かうと、 店員さんは値段を口にせず 紙に書いて矢野くんに見せた。 「いくらだった?」 あたしは財布を取りだし、 いくらか確認する。 「いいから財布しまえ」 「いや、ダメだって!」