入口にいる店員さんは、 笑顔であたしを見つめた。 「中入って」 「あ、うんっ」 木と障子で囲まれた、 店内全体が和風調の店。 1つ1つが個室で、 下は畳。 「選んで。メニュー」 1つの机を真ん中に、 向かい合って座る。 矢野くんはあたしに メニューを開いて 見せてくれた。 「美味しそう…」 「何でもいいから」 驚くことに、 メニューには値段が 書いていない。 決して簡単に作れそうでは ない料理の数々。