「紗南が好き…」 ずっと聞きたかった一言だった。 でも嘘だと思った。 奏斗の記憶はほとんどない。 ってことは私のことも覚えてないはずだから。 でももっかい言ってくれた。 嘘じゃないんだ… 嬉しくて奏斗に抱きついた。 「紗南?」 「奏斗っ…! また奏斗に好きって言ってもらえるなんて 思ってもみなかった… 嬉しいよっ」 私の目から涙が溢れた。